あたしは4人でいる時のように、十八番のラブソングを入れていた。
歌い始めてから津川さんがいることを思い出し、
ふと目を向けるとあっちもあたしを見ていた。

「ちょっと華奈美、わざとあの曲入れたの?」

「いや、いつもの調子で入れちゃったんだよ。後から津川さんいること気付いて…今すんごい恥ずかしいんだから!!」


茉実に言い返した瞬間、津川さんの歌声が聞こえてきた。



あ…。あたしの好きな曲…。

茉実たちに仕組まれたのか、偶然なのかは分からないけど、
あたしは津川さんの歌声に聞き入っていた。

「津川さん、上手いですね!!」

「マジ?ありがとう!この曲、俺の十八番なんだ。」

「ほんとですかぁ!あたしこの曲大好きなんですよ!」

「ほんとに!?華奈美ちゃんに喜んでもらえて嬉しいわ~!」