「そうと決まったら早速返事しないとね!!」

茉実の一言で津川さんと仲良し4人組でのデートらしきものが決定した。
でも…津川さんになんて説明しようかな…


「華奈美、携帯。」

「へ?」

「貸してって言ってんのぉ!」

「あ、うん。」


言われるがままにあたしは那由に携帯を渡した。

「さて、なんて返事してあげようかな~?」

「えっ?」

「だってさ、華奈美、どうせなんて言おうか悩んでるんでしょ?だからあたし達に任しとけってー!」


よく分かってるなあ…と思いながら、あたしは取り返すこともせず、那由に返事を任せた。
たまに那由はあたしの意見を聞いたりしてきて、すごく集中してるので、
あたしは茉実と愛樹と恋愛論なんか語ってたりした。

「もしかして、華奈美ってさあ、告白されたの、初めて?」

「そ、そんなことはないけど…キスされたのは初めて…」

「そりゃ、誰だって告白の時にキスはないでしょ。」

「ていうか、華奈美、彼氏いたことあるの?」

「…ない。」

「えー!意外!!」

「意外って何さあ?」

「華奈美って可愛いから、彼氏いたことあったと思ってた。」


彼氏…か。
今まで、告白されても断ってたのは自分にそんな気がないから。
自分から好きになることがあっても、あたしは恋愛になると消極的で、告白なんか出来なかった。

でも、何でだろ。



今回は断れる気がしないんだ。