「えぇ~~~っ!?キス~~~~!??」

那由と愛樹の声に周りの客が一斉にあたし達の方を見てきた。


「ちょっと!!2人とも声でかい!!」

「それでね、返事待ってもらって、昨日の夜、茉実に背中押されながらメールして。
 そしたらさっき返事着て。」

「ちょっと待った!!あたしそこからは分からないよ!!」

さっき着たばっかりのメールだから、茉実にも話をしてないせいで、茉実が話に割って入ってきた。

「ごめんごめん。さっき着たばっかりだったからさ。それで、一緒に遊ぼうってことにはなってるんだけど…。」

「それってさ、デート、だよね?」

愛樹が話の心髄を突いてきた。


「・・・やっぱり?」

「そうとしか言いようがないじゃん!!で、華奈美はどうしたいの?」

「…自分で言い出したことだから行かなきゃいけないと思うけど、付き合うかどうか分からないし、なんか上手く言えないけど…」

「まぁ、大体そういうもんだよね…。」

「うん…。」

那由の一言に皆、納得してしまった。


「あのさぁ…」

しばらくの沈黙の後、茉実が口を開いた。


「何?」

「あたしも一緒に行こうか?」

「えっ!?」

「華奈美はさ、男の人と2人っきりが嫌なんじゃないの?付き合ってるわけでもないからさ。だったらあたし達も同伴しちゃえばいいんじゃない?」

「でも…なんか悪い気も…。」

「あたし達はどうでもいいけど、津川さんでしょ?大丈夫だって!!最初の1回くらい。」

「ちょっと、それ、1回で終わらせないつもりでしょ。」

「あっちも終わらせないつもりだと思うよ。それに華奈美も。」

「…多分ね…。1回じゃ決められないから…何度も2人っきりも嫌だけど…。」

「じゃあ、仕方ないからあたしらも行きますかー。」

「そうだね~。可愛い可愛い華奈美のためだもん!!」

「・・・那由・・・愛樹・・・それに茉実~…ありがとぉ。」

「もう~!!何泣きそうになってるの!!あたし達、親友じゃん!!」



…よかった。3人と知り合えて。