side 漾

久しぶりの感覚に気持ちが高ぶる。
喧嘩だぁぁぁあ!!!!
一公務員である私生活では絶対に味わえないこの感覚。
きっとこの感覚にはまっているのは俺だけじゃないだろう。

シャッターを蹴破り中へづかずかと入っていく。
千もとい昊空は俺の後ろに静かについてくる。
いつも思うがこいつの殺気といったらハンパじゃない。

「って、誰もいねぇじゃん。ほんとにここなの?」

「泪の情報を疑うのか?」

「そゆんじゃねぇけどさ....」

確かに泪以上に情報が正確なやつはいないが...
人の気配が全くない。

「きゃぁぁぁぁああああ!!!!」

「なんだ!?」

悲鳴だ。
それも尋常じゃないほどの音量で。
どこだ!?
俺は音源を探そうと必死にキョロキョロする。

「右のドアだ」