やっぱり、かっこいいって言われるのは嬉しい。
つーか、気持ちいい。
違う自分になれるから男装は好きだ。

「はい、撮影終了。おつかれさま。」

「おつかれさまでした。じゃ、俺帰るんで。」

『えぇー...。』

えぇー...じゃねぇよ。
こっちは時間取られたのー。
まぁ、楽しかったけど。
そろそろ6時か...。
家に着くのは7時...。
お父様と遊ぼっかな...。
んー...でも、それは、お父様的に無理か。

わかった。
萌に電話してみよう。

ーープルルル

『もしもし?』

「萌、あたし。」

『うん。わかってるよー』

「あのあと、どうなった?」

『えへへ、実はー、付き合うことになりましたっ!!!!』

「おおー!!!!よかったじゃん!!!!」

いやー、あたしが頑張って、羂の気を引いただけあったわ。
努力が報われた。
うんうん。

『千のおかげだよー!!!!ホントありがとう!!!!』

「いえいえ。んじゃ、それ聞きたかっただけだから。」

『うん!!!!明日学校でね!』

「んー。おやすみ。」

『おやすみなさい!!!!』

萌が幸せだと、あたしも幸せだな。
幸せオーラがケータイ越しに伝わってきてたし。
萌に春が来たー。
はーるがきーたーはーるがきーたー。
あたしにも、いつか春が来ればいいなー。