side千

「すげぇ...」

と、一言だけ言ってあたしが作ったハンバーグを眺めている下野くん。
早く食べてくれないかな、おいしいのかわかんないじゃん...。
てか、なんで作っちゃったあたし!!!!
料理なんてそんなに得意じゃないのに!!!!
あぁ、外キャラのまま行くからだよー...。

「...いただきます。」

こゆとこ、律儀だよな。
さっきのお礼のこともだけど。

「どーぞ」

もぐもぐと食べる下野くん。

「めっちゃうまいっす」

「よかったぁぁぁー...」

その場に座りこむ。

「え、先輩!?」

「ホントに自信なかったんだって。美味しいって言ってくれて嬉しい、てか、安心した。」

「...味見しなかったんですか?」

「行き当たりばったり料理なもので」

「ふっ、なんすか、それ」

と、下野くんが吹き出して笑った。

「笑うぐらいなら食べるなー!!!!」

とあたしはお皿を取り上げる。

「返してくださいよ!!!!俺のですよ!!!!」

と、あたしから、ハンバーグの入ったお皿を取り返す。
あたしが作ったんですよ!!!!
まぁ、あたしの分もあるけどねー

「もー、味見ぐらいしましょうよ。はい、どぞ?」

と、あたしの目の前に出されたハンバーグ。
...下野くんの箸に掴まれて。

「...これは?」

「味見ですよ?」

「じゃなくて」

こいつ、絶対わかってるだろ。
わざとだろ。

「あぁ。あーん、ですよ?」

ですよ?じゃないよ!!!!

「自分の食べるから!!!!」

「だめですよー?そんなこと言ったら今日泊めせんよ?」

うっ...、そんなことしたら確実に怒られるじゃんか。

「ほーら、先輩、どうするんですかー?」

「うー...」

渋々口をあけた。

「はい、あーん。おいしいですか?」

コクコクとあたしは頷く。
恥ずかしい////
関節キスだし、あーんだし...
やぁぁぁぁああ/////

「顔、真っ赤すよ?せーんぱい?」

...恥ずかしくて今なら死ねる...