「もしかして、それって7月に私をナンパしてきた人達?」
「ああ、そうだよ。登校してたら前からあいつらがきて、喧嘩売られたよ」
私と悠太が話してると、先生が言った。
「こら、そこ! まだ朝学活中だぞ! 青春するのはいいが、イチャつくのは休み時間か彼氏か彼女の家にしなさい!」
周りからは、『ラブラブぅ〜♪』などと、ひやかしてる声が聞こえる。
そ、そんなんじゃないのに〜……!
「よせよ……照れるだろ?」
悠太のその一言で、教室がもっと賑やかになった。
だから……っ
そんなんじゃないってばー!!!
私は学校の授業が終わった後、ラッピングの袋などを買いに行った。
店に入ると、色んなものがあった。
どれにしようかみていたら、見覚えのある背中と髪型が見えた。
私と同じくらいの背の高さで、頭のてっぺんに2つの寝癖……
「……あれ? ……滝川?」
顔をみると、やっぱり滝川だった。
「おぅ、奇遇だなぁ! 立夏も買いにきたの?」
「うん。あ、よかったら一緒にまわらない? 舞の買いに来たんでしょ?」
「いいの? ありがとう! 藤野の買いに来たんだろ?」
「うん! 舞のもね」
「舞って何が欲しいんだろー?」
舞が欲しいもの……
「あ! この前一緒に遊んでたら欲しいっていってたものあった!」
「何て言ってた!?」
滝川がずいっと近くにきた。
「それが〜……」
いってもいいのかな、こんなこと……
「何が欲しいっていってた!?」
言うか……
「し……」
「し?」
「……下着……だって……」
「……」
滝川はそのまま停止した。そして、数秒後に、顔が赤くなるのを見た。
そうなるよね……
「……何色?」
「え?」
「なっ、何色の下着が欲しいっていってた?」
ええ!?買うの!?
「薄いピンク……だって」
「ありがと! じゃ、いまから買ってくる!」
やっぱいくんかいっ!
滝川は走って店を出ていった。
舞は驚くんだろうな〜……
私は店で買い物を続けた。
クリスマスの一週間前の日。
私はなんとかマフラーを編み終えた。そして、ラッピングもし終わってやっと息抜きができた。
すると、携帯に電話がかかってきた。
「もしもし、尾崎ですが……」
『あっ、立夏〜? 雪野舞だけど』
「舞? どうしたの?」
『あと少しでクリスマスだけど、プレゼント用意できてるー?』
「うん! ばっちり!」
『藤野君になにあげるの? マフラー?』
「うん!」
『そうなんだ! 健くんはなにくれるかなぁー♪』
「……」
下着……滝川は本当に買ったのかな……
『おーい! 立夏〜? どしたの?』
「……あっ、ごめんごめん! もう寝るからまた今度ね!」
『うん! じゃあね〜!』
私は電話をきって、ベッドに入って電気を消して寝た。
私は今、悠太の部屋にいる。そして隣に悠太がいる。
「……立夏……」
悠太は私の顎を持ち上げ、キスをしてきた。
そして悠太は私を優しくベッドに押し倒してきた。悠太の手が私のブラのホックを外し、悠太が服を脱ぎ始めた。
そして私と悠太は抱き合い………………
……夢……?
起きると、確かに私の部屋だった。
なんか、すごい夢みたな……
このあと悠太とデートするのに……こんな夢みたら……会いづらいよ……!
そう!今日はクリスマス!
待ち合わせ場所に行くと、悠太が先にいた。
「悠太ごめん! 待った?」
「さっき来たところだよ! ……立夏、今日メイクしてる?」
「うん! 舞とお母さんがしてくれたんだ!」
「そうなんだ! キスしたくなる……」
「あはっ、早いよー! じゃ、早速行こう♪」
私は悠太の手を握って歩き出した。
遊園地ではお化け屋敷に入り、私は悠太にしがみつきっぱなしだった。
そして今、悠太と観覧車に乗っている。
「わぁー……! 悠太、みてみて! すごい景色綺麗だよ!」
でも悠太は外を見ようとはしない。
「……おーい! 悠太どうしたの?」
すると、悠太がいきなり抱きついてきた。
「……怖い……」
え……?
「俺、高い所苦手でっ……だ、だから……降りるまでこのままにさせて……」
悠太が泣きそうな目で私を見つめてきた。
やばい……
悠太が……
かわいい……っ!
そして観覧車を降りて、クリスマスイルミネーションを見に行った。
「6時に点灯するらしいね。あと5分」
今年は色々な事があったな〜……
(大晦日みたいな言い方してるけど)
悠太と出会って
いきなり悠太に告白されて
夏祭りに悠太とデートして
滝川が転校してきて
悠太と滝川が喧嘩して
舞と滝川が付き合って
福井さん達に悠太に近づくなとかいわれて
美術部から卓球部に移って
悠太に助けられて……
「点灯5秒前ー!」
「5!」
「4!」
「3!」
「2!」
「1!」
目の前のクリスマスツリーが眩しくライトアップされた。
「メリークリスマス……」
そういって私は悠太にキスした……
幸せ……
そして年が明け、家でまったりくつろいでいた。
すると、お母さんが真剣な顔をして私の部屋に入ってきた。
「立夏、ちょっといい?」
「うん」
私はリビングに行って、椅子に座った。
「実は……お父さんも私も仕事の関係で半年ぐらい出張しなくちゃいけなくなったの……。それで、明日からお隣の藤野さんの家に泊まることになったの。藤野君、一人暮らししてるらしいわよ? だから安心してね? 家事できると思うし……もう藤野君OKしてくれたし」
え。
……ぇえええええ!?!?
こうして、私と悠太の同棲生活が始まった。