【完】私の彼氏は転校生。


デート当日。今私は待ち合わせ場所のうさぎ公園にいる。


「あぁ〜……! 緊張する〜……!」


ドキドキしながら待っていると、藤野君がきた。


「ごめん、待った?」


「ううん、全然!」


緊張して30分前に着いちゃったけど……。






「尾崎さんって、この祭りに来たことある?」


「ううん、はじめてだよ!」


「そうなんだ。俺は8歳の頃に1回きたんだけど、あまり記憶になくて……」


「へぇ〜……あ、あのさ、悠太って読んでも……いい?」


「うん、いいよ。尾崎さんの事、立夏って読んでもいい?」

「いいよ♪」






ついに、花火大会が始まった。ドーンという花火の音が胸に響く。
そして、いつのまにか大会は終わっていた。


「立夏、花火きれいだったね」


「うん、なんか早く終わった気分……」


気がつくともう9時だった。


「もう9時かぁ。帰らなきゃ……」


「あ、じゃあ俺が家まで送ってあげようか?」


「ううん、大丈夫だよ♪」


「そっか……あ、立夏! いい忘れたことがあるんだけど」


「ん? なに?」

「俺と……付き合わない?」






!!


「私も……悠太のこと好きなの!」


「あっ、ありがとう……! じゃあまた学校で会おうね!」


「うん! また明日ね〜♪」


私は胸に手をあて、深呼吸して家にかえった。






わ、私、ついに悠太と付き合うことになったんだ……!


……なんか夢みたい。


だって藤野君が転入してきて、まだ1ヶ月しか経ってないのに……。


でも……この前不良に絡まれた時に私のこと、守ってくれた…。


あと5日後で学校だ。悠太と会える。
どんな顔して会えばいいのかわからないよ……。






学校の制服に着替え、朝食を食べた私は、早めに教室に行った。


はぁー……眠いな……
みんなが来るまでまだ時間あるから10分だけ寝てよう………………




…………目が覚めた時、視界に入ったのは悠太だった。


「ん〜……うわぁぁ!」


「そんな驚くなよ立夏……」


いや、普通驚くよ!






「悠太、今何時……?」


欠伸(あくび)をして、目を擦りながら悠太に聞いた。


「10時35分だよ」


え!?もう2時間目終わったの!?私、2時間も寝てたの!?


「あと、つぎは移動教室で美術だよ、あと1分」


「えっ! もっと早く起こしてよ〜!」


寝てた私がいけないんだけどね。






無事に授業が終わり、私と悠太で帰った。


そのあと私は制服を着たまま寝てしまった。


――朝。
起きた瞬間に寒気を感じた。


「へっくし! ……さ、寒……」


ん……?なんか頭がもうろうとする。っていうか頭が痛い。


制服のままで寝たからかな……それに、夜冷え込むって天気予報士がいってたし……






体温計で体温をはかってみたら38.0℃だった。


こ、これは……学校欠席決定……


はぁ〜……悠太に会えないなんて……早くなおらないかな……