そんな……悠太が体目当てだったなんて……!!
「……そう……なんだ……。私……遊ばれてたんだ……。うっ……うぇっ……ひっ……く……うえぇぇん……!!!!!」
私は我慢してた涙を流した。滝川は私の事を悲しい目をして見ていた。
「立夏……そんな悲しい顔しないで……。立夏には俺が……いるから」
すると、滝川は私を抱きしめてきた。
「……えっ? 滝川……?」
「俺は立夏が好きだ。付き合ってくれ」
やっぱり告白された……!しかも抱き締められてるよ!
「俺はアイツみたいに体目当てなんかじゃじゃない。俺は……俺は本当に心の底から立夏が好きなんだ! だから……俺と付き合ってくれ!」
滝川はいつの間にか泣いていた。
「…………うん。付き合う」
「……ありがとう……っ。俺……っ一生懸命立夏を守って……幸せにするからっ……!」
滝川はそう言って、私を強く抱きしめてきた。
「……立夏」
「……ん? なに?」
「……大好き」
「私も。大好き」
滝川は家まで私を送ってくれた。『立夏は可愛いから男の人に襲われそう』と言って……
はぁ……気がつくともう1月の24日……。えーと、この次のイベントは……
2月14日の
バレンタインだー!!!!!
確か滝川は甘いの好きだよね。
明日、少し遠くの方まで買い物しに行こう♪
……舞達にもあげなきゃね!
そして今日、バレンタインの材料等を買いに電車に乗って家から結構遠くの原宿にいった。
わぁ、すごい……人がいっぱい……!
駅を出ると、人が沢山いた。
私は、こういう人が沢山いる所は苦手。
だって、
ナンパとかされるから。
2年たった今も、怖くて苦手。
まあ、1年に1回あるかないかくらいだし、大丈夫!
そう思って私は雑貨屋に向かった。
買い物し終わった私は、駅に向かった。
すると、3人の男が1人の男性を脅しているのが見えた。
「おいテメェ、金くれよ! 1万円くらいもってんだろぉ!? だせよ!! 出さなかったらどうなるか、わかってんだろうなぁ!」
男達は若い男性からお金を取ろうとしてるんだ……!!
私は、止めに行こうとした。でも、足が行こうとしているのに進まない。
……私は男達怖い。
そう思っているけど、あの男性の方がもっと怖く感じてると思う。
……そうだ、この前柔道習ったんだ……!もしかしたらできるかも……
私はあの男性を助ける……!!!
私は男達に向かって歩き出した。
「……んぁ? 誰だお前?」
男達は私の方に近寄ってきた。
私は怖くて逃げ出そうかと思ったが、その怖さを耐えた。
「……あなた達、自分が何してるかわかってるの?」
「はぁ!? 調子のってんじゃねぇぞテメェ!」
金髪の男達は私に殴りかかってきた。
私は男の胸ぐらを掴み、地面に叩きつけた。
「……ってぇ……。お前ら、やっちまえ!!!」
そして2人の男がまた殴りかかってきた。
私は男のパンチを避けながら隙を狙って男の足首に足を引っかけ、見事に男達を倒した。
「――……! くっそぉ……お前覚えてろよ……!!!」
そういって男達は逃げていった。
「……あの……っ! ありがとうございます……! お礼に何かしたいのですが……」
脅されていた男性は私に言った。
「……えっ、お礼なんていらないですよ……。……はぁ……怖かった〜……」
「あなた凄いですね! あんな人達に立ち向かって行くなんて……!」
「いえ……人助けが好きなので……。あっ、私、もう帰らなきゃ……! では、気を付けてくださいねー!」
私は走って駅のホームに向かった。
後ろからは男性の
「――ありがとうございます!!!!!」
という声と、歩いていた町の人からの拍手が聞こえた。
2日後の朝、滝川と学校に行きながら話をした。
「……でね、一昨日原宿駅で脅されていた男性を助けたの! すごく怖かったんだよ〜……」
「立夏すごっ! 男3人に立ち向かうとか……頑張ったね!」
滝川はそういって私の頭を撫でた。
「えへへっ♪ 滝川、だーい好き!」
「……そろそろ呼び方変えない?」
……え?何を??
「……俺のこと、健吾って呼べよ」
……確かに私、ずっと滝川っていってる……。
「……うん! けっ……健吾っ!」
名前を呼ぶためにこんなに勇気がいるんだ……
「はぅっ! 立夏かわいい♪ 俺も大好きっ!」
そう言って滝川は私の頬に軽くキスをした。
……私と滝……っ健吾は急いで学校に行った。