「…田村ですけど、牧野大輔はいますか…?」 私は悠貴に聞いた全てのことを、一つ一つゆっくり整理しながら、病院へ向かった。 もう気が気じゃなくて。 「503号室におられますよ。」 「ありがとうございますっ…!!」 足早に、病室へと急ぐ。 だんだん緊張して、胸が張り裂けそうになる。 501…502… 503号室の前に立つ。 『牧野大輔 様』 と書かれたプレートが、私の心にくる。 ずっと探していた相手。 ずっと会いたかった相手。 ずっとスキだった相手。 私はそっと、病室のドアを開けた。