クッキーのいいニオイが鼻をくすぐり、勝手ながら頬が緩んだ。


我ながら上手に出来たんだよね、このクッキー……ホント、甘いの苦手なんて…ね。


「あーーー…」


――――ガラッ


………えっ?


「あっ、いたいた、藍枝さん」


「あっ、赤間君!?」


最初のクッキーを口に入れようとしていた私は、いきなり空き教室に現れた赤間にすっとんきょうな声をあげてしまった。


えっ!?なんでコイツがここに来んのよ!?


さっきまで教室で女の子達に囲まれて、楽しそうだったのにっ!!


「赤間君、どうしてここに………」