食べてもいいと許可を出すと、赤間は本当に嬉しそうにクッキーを口に運ぶ。


「藍枝さん、ウマイよこのクッキー」


サクサク音を鳴らしてリスみたいになっている赤間に、また顔が熱を持ったのが分かった。


「なワケ無いでしょう。だって甘いの苦手なのに……」


「いや、ガチでウマイ。もうこれから3時のおやつ藍枝さんの手作りお菓子にしたい位」


3時のおやつって……さっきは辛党のおっさんかと思ったら、今度は小さい子供みたいじゃないか。


どうしよう…あんなに毛嫌いしていたのがウソみたいに、“好き”という気持ちが溢れて止まらない。