仕方なく、って言葉が似合う顔をして
なんとか納得してもらった。
そんなにバレたくないかねぇ。
アイツなら喜んで育てると思うけどな。
これが世にいうすれ違い。
お互い想い合ってるんだし早くくっつけよな。
見てるこっちがイライラする。
もどかしすぎてな。
「にしても、本当に可愛い子だな」
「可愛いですよね!?ほら、目元とか特にカナちゃんに似てて!」
「口元は虹恋ちゃん似だ。2人のいい所を受け継いだな」
「どんな子に育つか、ほんとに楽しみです!」
「うん、俺も楽しみ。遊びに行きたいから、住所教えてくれないか?」
「あ、ついでに連絡先も教えときます!」
とりあえず、お互い連絡先を交換して別れた。
さて、いい収穫もあったし、早く帰ってやろう。
駐車場に行くと、狩那緋が車にもたれて、こちらをじっと睨んでいた。
「遅いんだけど」
「すまないな。ちょっと知り合いと会って話が盛り上がってしまってな」
「月希に俺以外の友達なんていたんだ?」
「友達…まぁ、そうだな?」
狩那緋を見てニヤリと笑う。
相手は虹恋ちゃんだというのにな。
「きもいから見つめないで」
「うまくいくといいな」
肩に手を置き心の中で応援してやった。
当の本人はきょとんとした顔をしていたが。
さて、これからどうなるのか……。