「え……?」

驚いて目を丸くする。

豆鉄砲に当たった顔、ってこのことかw

「アイツは君を失って1度はどん底まで落ちたさ。けど、そこから這い上がってきたんだ。そして俺の会社で右腕として働いてる」

「え、もしかして…Venusですか?」

「そう。父から受け継いだんだ」

「そこでカナちゃんも!?」

「あぁ、いるよ。いい仕事をしてくれる。アイツが今までこんなに頑張ってこれたのは…虹恋ちゃん、君のおかげなんだよ」

「わた、し……?」

「君を迎えにいくと、狩那緋は決めてたみたいだ。立派になって、1人前になったらって」

瞳に涙を溜める虹恋ちゃん。

ずっと1人で頑張ってたんだもんな。

「それでも、まだいわない?」

「……少し、時間が…ほしいです。この子のこと、考えた上で…決断します」

「そっか。ならそれまで、虹恋ちゃんの手伝いさせて?」

「え?」

「実は俺って子供が好きでさ?大丈夫、口かたいから」

別に虹恋ちゃんが好きとかではないが…。

俺の様子がおかしいことに狩那緋が気づけば何が変わるだろ。

絶対自分からは話に行かないだろうしな、虹恋ちゃん。

「いい?」

「でもお仕事……」

「仕事の合間にでも来るよ。いい?」

「…じゃあ、お願い…します」