ボーッとしながら外を眺める。
たまには息抜きも必要だな。
すると、何やら人が集まるデパートを見つけた。
何かやっているのか?
「狩那緋、そこのデパートで止めろ」
「ん、了解」
駐車場は運良く一つだけ空いていたため、すぐに停めれた。
とりあえず中に入るか。
「お前は待っていろ、すぐ戻る」
「俺も行くよ?護衛しなきゃだし?」
「たまには一人の時間も必要だ。ほっとけ」
「ワガママだねぇ…何かあったら電話して」
「承知している」
中に入ると、多くの人で賑わっていた。
子供連れやカップル。
場違いだったか?
まぁ、賑わっている店を回るのも悪くないか。
ゆっくり歩いて眺めていると、見覚えのある姿を見つけた。
あの後ろ姿…けれど、ベビーカーを押している。
……まさか、な。
とりあえず声をかけることに決めた。
「そこのお嬢さん」
ゆっくりと振り返るその子は俺を見るなり、驚いて目を丸くした。
「神崎…せん、ぱ、い……」
「やぁ、久し振りだね虹恋ちゃん」
俺の予想は正しかったらしい。
少し髪が伸びているが、間違いなく虹恋ちゃん。
子供……狩那緋との子か。
「あ、あ、あの……カナちゃんは…!?」
「あぁ、安心して?車で待たせてるから来ないよ」
「そっか、よかった……」
「よければカフェで少し話せない?」
「あ、大丈夫ですよ。時間有り余ってるので!」
「なら行こうか」
近くのカフェに入り、とりあえず注文した。
「会うのはどれくらい振り?」