月希side
俺が社長に就任して早くも半年が経過した。
時の流れっていうのは早いものだ。
最初は大変だった書類仕事も最近では板についてきた。
それもこれも、俺の親友であり秘書の狩那緋のおかげだ。
「社長、こちらの書類に目を通して頂けますか?本日仕上がりの書類です」
こんな風にもうすでに秘書をこなしている。
さすが何でもできる男だ。
「わかった。それと、その社長ってのやめろって何回もいってるだろ」
「社長は社長ですので。それにそうでないと社員に示しがつきませんので」
「人なんていないし、通す時はお前に連絡が入るだろ。このフロアは許可なしに出入りできない」
「そんなにタメがいいわけ〜?」
にやりと笑い、さっきとは真逆の態度をする。
力が抜けたようにドサッとソファに倒れ込む。
ON/OFF激しすぎないか。
「堅苦しいのが嫌いなだけだ。それにお前が敬語を使うと鳥肌が立つ」
「そんなに?w 半年も経つんだからそろそろ慣れようよw」
ケラケラ笑うコイツの頭はお花畑か。
半年前の抜け殻が嘘のようだ。
そう思いながら狩那緋を眺めていると、
狩那緋の持つ仕事用の携帯が鳴る。