「でも窪田くんに悪いし…」
「別に気にすんなよ。ちょうど仕事も終わったんだ。この後何も無いし。な?」
「じゃあ…お言葉に甘えて」
ここには知り合いもいなくて寂しかったし、話聞いてもらおう。
昔のよしみってことで。
「はい、ここが俺の家。ほら、入れよ」
「お邪魔します!」
窪田くんの家は高級マンション。
中は統一感のある家具で揃えられていた。
綺麗に手入れされてるのは男の家としてすごく珍しい。
「お茶でよかったか?」
「うん、ありがとう」
「それで、なにがあった?結構離れた街に住んでたよな?」
私の向かいに座りながら聞いてくる。
話そうか迷った末に、目をそらしながら今までのことを話した。
「そんなことがあったのか…」
「大変なのはわかってるけど…やっぱり頑張っていくしかないでしょ?」
「まぁ、そうだな。孤舞の家はこっからどれくらいなんだ?」
「10分ぐらいかな?そこまで遠くないよ」
「意外と近いな。何かあったらすぐいえよ?」
「ありがとう」
「ある程度大きくなるまでは俺も面倒みるよ」
「え、いや、悪いよ!」
「大丈夫だ。気にせず頼れよ。ここには知り合いもいないだろ?」
「……うん」