生まれてくるの、ほんと楽しみ。

どんな名前がいいかな?

負担がかからないように軽く物を並べる。

家具とかはいい位置に二人が並べてくれたし。

ほんと、ありがたいなぁ。

さて、と。

買い物に行こうかな?

今日の夕飯の買い出し〜♪

財布を持ってルンルンしながら近場にあるスーパーへ向かった。

中は綺麗で、意外と品揃えもいい。

最高のお店だね。

何にしようかな〜♪

「狐舞?」

振り向くと、そこには意外な人がいた。

「………窪田くん?」

「やっぱり!変わってないなぁ!」

昔と変わらず、やわらかい笑顔を向ける窪田くん。

窪田くんは中学の時の同級生で、元カレでもある。

友達の延長、みたいな関係で長くは続かなくて。

けど、中学の卒業の日まで、静歩を除いて一番仲の良かった友達でもある。

つまりは私のよき理解者の一人。

「どうした?お前、地元の高校に行ったんだろ?それにそのお腹…」

「…うん。妊娠してるの」

「相手は?あ、男といるとこなんか見られたら大変だよな?」

そういって少し慌てる窪田くん。

「ううん、相手はいないよ」

「いない?じゃあ誰が…」

「ちょっとワケありなの」

苦笑いをしてみせる。

簡単に説明できないしね。

「顔色悪いぞ?相談なら乗るぞ?」