「…………」

『図星ね』

「自業自得だと思ってる。これを招いたのも自分だから」

『男はほんとにバカよね』

「うるさいよ」

『まぁ、女も負けず劣らずバカだけどね。私も、静歩ちゃんも…虹恋ちゃんも』

「何でにぃもバカなんだよ?」

『その内わかるわよ。それが何年後になるかわからないけど』

「やっぱり何か知ってるんだろ!?教えろ!!にぃに何かあったら一生許さねぇ!!」

『少しは落ち着きなさいよ。感情に身を任せると、バカを見るわよ?実際みてるでしょ?』

「………何か知ってんの?」

『知らない。まぁ、知ってても教えないわよ。ごめんなさいね?』

「何だよそれ。協力する気ないだろ」

『協力するわよ、私の出来る範囲なら。けど、虹恋ちゃん絡みでなにか教えることはできないわ。それが約束だもの』

「誰との?」

『虹恋ちゃん本人よ』

「にぃとの…?」

『えぇ。まぁ、私も一生隠すつもりはないわ。時がきたら教える』

「今じゃ…ダメなんだ?」

『当たり前よ。あんたバカ?教えないっていったばっかりでしょ?』

「……で?出来る範囲って?」

『んー、まぁ、例えばー…あんたはこれからどう行動すべきか、とか。何をすべきなのかとか?』

「じゃあ教えてよ。俺はどう行動して、何をすべきなのか」

『まずは、虹恋ちゃんのことを誰にも聞かないこと。せめて一週間。そして…何もなかったように過ごしなさい』

「………は?」

『虹恋ちゃんのことは……忘れなさい。忘れて、ただ幸せな人生を歩みなさい』

「どういう…ことだよ…?」

『いいから。それが、私からいえること』

「何だよそれ…」

『まぁ、自分の自由よ。私が協力できるのはこれだけ。それじゃあね』

それだけいうと、電話は一方的に切られた。

「なんだよ…!!」

にぃのことを忘れろ…?

幸せな人生を歩め…?

そんなことできるわけないだろ!!

絶対忘れない。

忘れるわけがない。

幸せに、なんて…にぃ以外とは考えらんない。