熱で倒れた俺は、にぃに運ばれてしばらくにぃの家で休んでた。

ご飯もごちそうしてもらって、楽しく話した。

まるで、付き合っていた頃に戻ったみたいだった。

前みたいに無理な笑顔じゃなく、自然な笑顔で笑うにぃ。

その姿を見たのは久し振りだった。

それがすごく嬉しくて。

前みたいに戻れる気がして…。

けど、それは違った。

にぃは、俺は悪くないっていってたけど、にぃが俺を信じれなくなったのは

間違いなく俺のせい。

そんな状態にした、俺の責任。

自業自得だよな。

そう思うと笑いがこみ上げてきた。

「今更……何がいえるんだよ…」

どんなに悔やんでも、もう戻れない。

それを痛感した。

幸せになってね、なんて本心でもないくせに…。

けど……ならどうしたら良かったんだよ?

幸せを願うことぐらいしか…今の俺にはできないっ……!!

こんな最低なことをした俺を……。

それでも愛してた、なんて……そう思ってくれてたなんて……。

俺はバカだった。

あんなにも一途に想ってくれてたのに、

自分勝手な理由でにぃを傷つけて…。

今も自分勝手によりを戻そうなんて…。

都合良すぎるだろ。

「くっそ……!!なんで俺はっ……!!」

もう、にぃの隣にいれないなんて。

こんなことになるなら…浮気なんて…!!!

~♪ ~♪ ~♪ ~♪

誰だよ、こんな時に…。

ディスプレイも見ずに電話をとった。

「……もしもし」

『あら、不機嫌そうな声ね?』

「…チカちゃん?」

『ええ、そうよ。で?熱はどうなの?』

「下がった。今はもう大丈夫」

『虹恋ちゃんは?』

「家だと思うけど」

『……なにか話した?』

「なにかって何?」

『いや…別に……』

「まぁ、しつこいかもしれないけど、より戻そうとは話したよ」

『それでっ!?なんて!?』

「いや、無理だっていわれたけど…どうしたの?そんなに慌てて…」

『そう……無理かぁ…。他には?何も聞いてないのね?』

「他ってどういうこと?何か知ってんの?」

『知らないわよ。狩那緋、今更後悔してるでしょ?』