「みんながお祝いするって聞かなくてw」

『狐舞さん、おめでとう!』

『妊娠したなんて、羨ましい!』

『もうお母さんなんだねー!』

口々にいうみんな。

「こ、これは……?」

「ニコの送別会と、妊娠お祝いと、引越し祝い…かな?」

「すごいわよねぇ!若いっていいわね♪」

ニコニコする2人。

「ありがとう、みんな!」

まさかこんなことが用意されているなんて。

全然考えてなかった。

それに、妊娠のこと知ってたんだ?

「誰が妊娠のことを?」

「嶺先生!このクラスには、知ってて欲しいからって!」

「こんな先生、滅多にいないわよ?」

「そうそう!先生の鏡だわ!」

「嶺先生にもありがとういわなきゃ…」

「真面目ね、ニコはw」

「当たり前だよー!」

「でも生憎今日は出張で出かけてるわよ。お礼はまた日を改めて、ね?」

「うん、そうだね!」

『狐舞さん!ほら、おいでよー!』

「あ、うん、今行くー!」

こんなに、温かいなんて。

私はたくさんの人に支えられてるんだね。

数時間お祝いをして、そこを離れた。

街を歩きながら3人で話をする。

「明日には…引っ越すの?」

悲しそうにいう静歩。

「うん、明日」

「………寂しくなるわね」

「大丈夫ですって!そう遠くもないし、赤ちゃんの出産、ちゃんと来てくださいね?」