「………え?」

部屋の掃除しててね……?

ご飯作って、掃除して………。

あれ、考えてみたら最近ずっとこうだな。

カナちゃんと……キスしたことない。

手も繋いだことない。

デートだって……。

なのに……一度だけ体を重ねた。

けど、愛を感じられるものではなかった。

「あれ、私とカナちゃんの思い出……ある?」

私はそう思いながら掃除を始めた。

何も考えないように掃除をした。

「……終わった」

部屋中を綺麗にしてピカピカにした。

「でも、掃除するとやっぱり後悔するな…」

そういってテーブルをみる。

そこには小さなハートをかたどった

可愛いピアスがある。

………きっと浮気相手のもの。

いや、カナちゃんは浮気相手とは思ってないのかも。

私の前でも普通に女の子の話するし。

私が浮気相手だったりして。

「いや、ないない!」

私はついでに夜ご飯も作って帰ろうと買い物に向かった。

スーパーに行き、食材を買って、スーパーを出た。

「たくさん買っちゃったなー……」

少し重いけど、カナちゃんの為だもん!

そう思って歩いていると、反対側の歩道にカナちゃんがいた。

「あ!カナちゃ………何で…?」

そこには知らない女の人と腕を組んで笑い合うカナちゃん。

女の人はすごく綺麗で可愛い。

私とは……全然違う大人の女性。

「私より……カナちゃんとお似合いだぁ……」

私は泣きそうな感情を抑え、

カナちゃんの家に帰った。

料理を作る前に、ふとカレンダーを見た。

《リナの誕生日》

《カナの誕生日》

他にもたくさんの名前。

けど、そこに私の名前はなかった。