「そういえば!赤ちゃんの名前、もう決めたの?」
期待の眼差しで私を見つめるチカさん。
「実はまだなんですよね…。早く決めなきゃ、とは思うんですけど……」
「ま、まだ出産までは時間があるし、ゆっくり考えたらいんじゃない?」
静歩がニッコリ笑いながらいう。
「まあ、そうだね!」
「あ、もうこんな時間!ほら、行くよ!」
そういって私の手を引く静歩。
「へ!?あ、え!?」
「ママさん、後のことはよろしくお願いします♪」
「ええ、任せて♪」
そういって家の外へ連れ出す静歩とチカさん。
待って、どこに連れてかれるの!?
「よーしっ!まずは学校だーっ!」
無邪気な顔で笑いながら走る静歩。
「こらこら、静歩ちゃん?妊婦さんを走らせるもんじゃないの!」
「そういってるチカさんも走ってますー!」
私は2人に手を引かれているため、走るしかない。
「あは、ごめんね虹恋ちゃん!」
笑ってるってことは思いっきり遊んでるよね?
……ふふ、まあいっか!
私も負けじと走る。
「学校到着!さてさて、教室に行くよ!」
「え、教室!?」
驚いている間にグングン階段を上っていく静歩とチカさん。
「いくわよー?3、2、1…オープン!」
元気良く声を発し、扉を勢い良く開けたチカさん。
教室に広がっていた光景は……
「みんな……!!」
クラスのみんなだった。
しかもまるでパーティーでもするかのように
綺麗に飾り付けがされていた。