私と静歩はカナちゃんの横を通り過ぎた。
「にぃっ!!」
「……まだ何かあるの?」
「この前…何で赤ちゃんの洋服みてたの?」
「………え?」
まさか…見られてたの?
もしかして…全部バレてる?
「静歩ちゃんと…いたよね?」
「………いたよ。けど、カナちゃんに関係ない」
「待って!まさか……子供いるの?」
「……いないよ。変な期待しないでくれる?知り合いの赤ちゃんにプレゼント。ごめんね?勘違いさせちゃって」
そういって足早にその場を離れた。
これ以上あそこにいると、全てを話してしまいそうで。
とっても怖かった。
「………ごめん、静歩。今日はもう、家帰るね」
「あー…うん。何か…ごめんね?」
「ううん、静歩のせいじゃないよ!じゃ、また明日ね!」
そういって家へと向かった。
カナちゃんに会わないように気をつけながら。
「ただいま!」
「おかえり!ご飯、もう少しでできるからね!」
「あ、うん!じゃ、少し部屋にいるね!」
「ええ!」
私は自分の部屋へと入った。
「はあ……。とうとうカナちゃんに会っちゃったかぁ…」
だいたい予想はしてた。
家に行っても、静歩に聞いても会わせてくれない。
なら、もう行くところは学校しかないもんね。
でも、もうバレるわけにはいかないの。
バラすつもりも全くない。
せめて、この子が生まれるまでは隠し通す。
こうなったら、私にできるのはただ一つ。
「………よし、決めた」
私はお母さんの元へと向かった。