カナちゃんの家は学校からそう遠くもない。
ガチャ
「カナちゃん!!」
「あ、にぃ!来てくれたんだ?」
「うん!来るっていったでしょ?」
「えへへ、ありがとね♪」
「で、どうしたの?」
「んー?お腹すいちゃったー!」
「え!?それだけ!?」
「うん!にぃ、何か作って?」
上目遣いでお願いされれば誰も断れないよね。
きっと確信犯だ。
「……オムライスでいい?」
「うんっ!!俺、オムライスだーいすき!」
輝く笑顔を見せていうカナちゃん。
誰にでもこんな笑顔を見せていると思うと
胸がチクンと痛んだ。
そんな胸の痛みを無視して料理した。
「はい、出来上がり!」
「わーいっ!!」
子供のようにパクパク食べるカナちゃん。
「おいしい…?」
「すーっごいおいしい!!俺、にぃが作ったご飯だーいすき!」
そういう彼をとても愛しく思う。
~♪ ~♪ ~♪ ~♪
「もしもーし!あ、うん?もう大丈夫〜!え?んー、でもなぁ…。ま、いいや!うん、じゃ、今から行くね♪」
そういって電話を切った。
「どこか…行くの?」
「うん♪ミキの所♪じゃ、部屋の掃除しててね!」
ルンルン気分で家を出ていった。