これ以上いって、嫌われたくない。

ただその一心だった。

カナちゃんはとても明るい性格で、

人を寄せ付ける魅力がある。

だから女の子にはモテモテで。

きっと女の子には困ってないんだろうな…。

もうすぐ1年なのに…覚えてないだろうな。

「……こ……に………ニコーー!!」

「わ、わあっ!な、何?静歩?」

「いや、ボーっとしてたから……」

「あー…ごめんごめん!」

「また……狩那緋先輩……?」

「………うん」

苦笑いで返す私。

「……ねぇ、ニコ」

~♪ ~♪ ~♪ ~♪

「あ、電話だ…。静歩、ちょっとごめんね!」

私は電話をとった。

「もしもし?」

『あ、もしもしにぃ?今ヒマ?』

「え、あ…今は学校だけど……」

『あ、そっか。いや、別にいいんだけどさ、今から家来れないかなって思ったんだけど……』

「行くっ!!すぐ行くから!!」

『うん、わかったー!じゃ、待ってるね♪』

「うんっ!!」

私は電話を切って、鞄を持った。

「静歩、ごめんね!今からカナちゃんのとこに行くね!」

「そっか。…ねぇ、ニコ?」

「ん?」

「………別れないの?」

「……別れないよ」

私はそれだけいい残して学校を出た。