「……え!?」

両手に花とはまさにこのこと?

……って呑気に考えている場合じゃない!!

「じゃあ早速やりますか、レミ?」

「そうね、ユイカ」

両脇から互いに阿吽の呼吸で頷きあうと、そのままずりずりと引きずられるようにして2階まで連行される。

「ふたりとも遊びに来たんじゃないの!?」

突然身柄を確保され何が起こっているのかと混乱しながら問いただすと、レミちゃんとユイカちゃんは悪戯をしかける子供のような悪い顔でこう答えた。

「違いますよ?」

「今日はお姉さんの全身コーディネイトのお手伝いに来たんです」

全身コーディネイト!?

どういうことかと早苗を見れば、こちらも実にぬけぬけと言うのだった。

「だから言ったじゃない。“女性の身支度は時間がかかるもの”だって」

そ、そういう意味だったの!?

「二人とも今日はよろしく~」

「早苗も例のノートの件、よろしく~!!」

「任しておいてよ」

合点承知を請け合うように互いに親指をグッと立てて、友情を確かめ合っている。

ここに至るまでの闇取引の詳細は聞かない方が身のためである。

(女子高生って怖い……)

何が怖いってこの行動力が怖い!!