町の賑わいはまるで祭りなのではないかと言うほど賑やかだった。
市場に並ぶ様々な品物。
出店もある。
少し離れた広場では誰かがパフォーマンスを披露している。
「…すごいな」
ルイナはぽつりと呟いた。
そこに……
「お姉ちゃん、お姉ちゃん……」
そう言ってルイナの服を掴む少女がいる。
「ん?」
ルイナは特に驚きもせず少女を見る。
「こっち……きて…お花売ってるの」
「買いたいのはやまやまだが、私はあまりお金がなくてね……この宝石を売れば多少金にはなると思うのだが……」
ルイナは少女にこの間盗賊からとった宝石を見せる。
もちろん盗賊は殺していない。
少女はその宝石をじっと見る。
「ちょっと…ちょっとでいいの。……見るだけでいいから」
少女はそう言うと強くルイナを引く。
少女の力をはるかにこえた力でルイナを引っ張る。
「いっ……」
ルイナは仕方なく少女についていく。