「お願いしますよ、ポーターさん――」


鏡花の言葉の矢が、ステッキさんに刺さる――。






「よっ、りおん――待ってたよ――」


下駄箱の端に凭れかかり、腕組みしたアンテロッティがりおんを呼んだ――。


アンテロッティの後ろに、ローグとコステリッツが控える――。


「リンスロットとキャサリンは厳重注意だから、りおんもそんな感じかい――」


「――――」


「おっと、ひばりは処分なしだとさ――」


アンテロッティの追加した言葉に、りおんは心の硬直を解く――。


「魔法少女発動停止、一週間――だって――」


「なる程ねぇ――まっ、落としどころとしては、そんなもんか――」


わかった様な口振りのアンテロッティに「だよねぇ」と躰が反応するローグとコステリッツ――。


しかし、ここにリンスロットの姿はない――。


「鏡花や監理局が何を言ったか知らないけど、あんまり気にすんなって――」


「監理局も、私達に厳しい処分は下せないし――」


「魔法少女がいないと、困るから――」


アンテロッティがりおんを励まし、訳ありな躰の仕草と声でローグが髪をなびかせ、コステリッツは例の口調で世界の「事情」を呟く――。