月明かりに照らされる、新しいりおんの部屋――。


赤坂に聳える、1ヶ月前に竣工し、入居が始まった45階建てタワーマンション――。


後れ馳せながら44階、南西角の住人となったりおん達――。


広さも質も、以前より「格」が上がった部屋――りおんのコレクションが収められた段ボール群の開封もままならず、カーテンもなく、とりあえずベッドのフレームを組み立て、マットレスを置き、「寝る」行為は何とか確保しただけのまだ雑多な空間――。



そのマットレス上で、ステッキさんに馬乗りの状態で、「首」を絞めるりおん――。




「どうして――どうしてかなぁ――」


「り、りおんっ――苦しいっ――」



「謎の転入生がさぁ、追加キャラが加入する筈だったのに――」


「りおん、手を放してくれ――苦しい――」


「わたしが転校するって、どういう事――おかしいっ、明らかにおかしいよね――」


「人の話をちゃんと聞けりおん――苦しいと言っている――」


「わかってるよステッキさん――だって今、ステッキさんの首を締めてるんだもん――いやぁホント、このまま死んじゃえばいいのに――」