「それから――」
「りおんさん――あなたもです――」
「へえっ――」
「お願いしますね――」
「は、はぁ――」
自分が出撃しなくても、欧州なんとかが、さっさと壊滅するんじゃないの――鏡花の意図がわからず、気乗りしないりおんの心――。
クラスメイト達もりおん同様、懐疑な念を個々に発する――。
キャサリンでさえ「何故りおんが」と僅かに首を捻り、鏡花の決定に反抗する――。
彼女達は魔法少女界における欧州の「事情」を知っている――それに伴う重圧を、リンスロット達が受けている事も――。
ひばりもわかってはいるが、平和ボケした日本人というフィルターが無意識にかかり、練度が異なる――。
まして、ごく普通のりおんなどに感じ、理解する「感覚器官」はない――。
「不満ですか――」
悶々とした気の膜を、鏡花が切り裂く――。
『――――』
「では、お願いします――残った皆さんは自習です――」
鏡花に逆らえず、クラスメイト達は黙って受け入れるしかなかった――。
鏡花は「はい、いい娘達ですね」と趣を緩ませ、教室を後にする――。