リンスロットのポーター、シルフィが一人状況を冷静に分析し、撤退をマスターに進言する――。



「撤退ですってシルフィ――冗談じゃありませんわ――」


「最後の攻撃オプションが残っていますわ――とっておきのが――」


「リンスロット、ゴールドスターのお前がおいそれと使える代物ではない――あれは、禁忌だからな――自身がどうなるかは、シルフィから嫌という程聞かされている筈だ――」


珍しくステッキさんが、口を挟む――その声は緊迫感に溢れ、事の深刻さの意を深める――。



「彼の言う通りですリンスロット――ここは一度退いて、態勢を立て直すべきです――」


「わたしも二人の意見に賛成だよっ――言い争ってたって、何にもならないよっ――」


「だから、早く皆を連れて逃げなさいと言っているでしょっ――」


りおんの、「適当」でない想いに、リンスロットは振り返り、怒り、悔しさ、情けなさ、嬉しさが複雑に絡み合い、具現化した表情と声で、りおんに己をぶつけた――。


「わたくしは、やらな――」


「リンスっ、危ないっ――」


スーパーダークエネルギーからレーザーが迫る――。