「リンスっ――」



研ぎ澄ました感覚の先に、最も抵抗し、最も傷ついたリンスロットが、皆を守る防御シールドを展開させ、スーパーダークエネルギーに対峙する――。



現役最強と、自身の家柄のプライド――その執念にも似た感情で自らを奮い立たせている――。


しかし、その「佇まい」は、敵に対し有効な攻撃も、自身を含めた仲間達を守る事もできない領域にまでダメージを負っているのは、「適当」なりおんが見ても明らかだった――。





「何をやっていますの――リンスって、全くトリートメントではないのだから、その呼び方はおやめなさいと言っているでしょ――」



前に出ようとするりおんをステッキで制し、何とか自立滞空制御で保たれている「強気」な体と背中で、リンスロットはりおんに言った――。



「リンスっ、そんな体で無理だよっ――」


「黙りなさいっ――早く皆を連れて降りなさいっ――」



「リンスロット――あなたにこれ以上の攻撃、防御魔法のオプションはないのです――幸いにもスーパーダークエネルギーの本格的侵攻は過去の例からしても先です――まだ、私達には時間はあります――」