「やっと来ましたわね――」


既に、魔法少女となったリンスロットとキャサリン――。


「じゃあ、ひばりとりおん、ちゃっちゃと変身しちゃって――」


キャサリンが急かす――。


「はぁ、まさかとは思ったけど、あそこへ行くんだぁ――」


二人の格好を見たりおんが、脱力感たっぷりに気持ちを顕わにした――。


「お腹、空いたなぁ――」




「ではりおんさん、私達も変身しますよ――」


後ろで一本に束ねていた髪を解くひばり――。







「テイルオン――――」


「あっ――盗られた――」


思わず想いがこぼれたりおん――。


明らかにいつもと違うひばりの変身の口上に、口あんぐりのリンスロットとキャサリン――。


してやったり――の表情を浮かべ、月下美人が発光する――。


いかにも――という琴の音色を背景に、ゆっくりと回転するひばりが、魔法少女へと変貌してゆく――。


着物をアレンジしたコスチュームを纏い、変身の「快楽」に浸っていたひばりの瞼が開く――。


艶やかで清楚――相反する要素が絶妙な配分で絡み合うひばりの出で立ち――。


初見のりおん、何度も観ている筈のリンスロットやキャサリンでさえ、その凛とした「景色」に息を呑む――。