止まない悲鳴――飛び散る血液――。
ポーターの行動制限のロックなど、いつの間にか簡単に解除し、支配下に置いたダイレクトに「人間」が対抗する術はない――。
逃げ惑う魔法元老院メンバーと研究者達――。
三人のダイレクトを最も卑劣に扱った者達には彼女達も「丁重」な殺し方で「礼を尽くす」――。
しかし、人間とて色々だ――彼女達に同情するも、魔法元老院に言われるままに実験に携わった研究者も存在する――。
自身の弱みを握られているのか、家族や恋人が人質となっているのか――。
個人個人の「背景」をダイレクトは正確に読み取り「慈悲」を与える――。
魔法遺伝子を投与された少女と共に生きる路を――。
こうして魔法元老院の研究施設は壊滅した――。
三人のダイレクトは姿を消す――。
しかし「楽観的」な後日談は存在しない――。
惨劇をかい潜り、礼を尽くされなかった者達は、研究資料やダイレクト、少女らの生体サンプルを持ち出し、闇に消える――。
解放された少女達もそのほとんどが捕らえられ、再び実験体となるか、拒否すれば「異端者」あるいは「魔女」などと吹聴され、一般社会に放出――。
その先にあるのは――偏見と実質的な死――。
逃れた研究者達も同様の結末を迎える――。
魔法元老院の根は世界の隅々にまで伸び、無味無臭で日々の暮らしに溶け込む――。