角砂糖はそれひとつで、この日本の年間国内総電力を数百年供給できるエネルギーを内包する――。


だが、それさえも「仮説」に過ぎない――。


我々人類は、マジカルストーンの真の能力を把握はしていないのだ――。


オーバーテクノロジー――。


もて余す「万能」の力――。


評議院のグランドロッジで「永久暖炉」が生み出す炎と熱の源は、遥か昔に角砂糖を燃焼した灯火であり、これからも「永遠」の揺らめきを贅沢に創り出す――。




角砂糖ひとつの価値は、日本円で五千兆円とされる――。


価値が上がる事はあっても、下がる事はない――。


実際に流通、取り引きはしないが、角砂糖相場――シュガーキューブレートは存在する――。




金、プラチナ、艶かしい宝石、数字が刷られた「だだの紙」――。


我々「凡人」には、それらが「お似合い」だ――。


輝きに魂を踊らせ、札束の厚みに狂乱していれば「幸せ」なのだから――。


あえて「真実」を知る必要もない――。


質素で見過ごされがちなものこそに本当の「価値」がある――。


そんな「質素」な角砂糖を、ポーターは「控えめ」にも五つ備えているとされる――。




そして角砂糖の真の価値を確かめる為に、人間はやはり試す――。




自らに「角砂糖」を棲まわせる試みを――。