枚挙にいとまがない、噂と憶測――。
とある国が鉱脈を発見した――。
あの国が採掘を開始した――。
虚実入り交じった各国間及び評議院、監理局との駆け引き――。
実際、何処の国が「手札」を手にしているのかいないのか――。
真相は漆黒の陰に棲まう――。
黒い鉱脈――。
石炭の様に砕け、割ると中身が虹色に妖しく発光する――。
外見とは裏腹に柔らかく、様々な加工に適している――。
その扱い易さと計り知れない能力を例えて魔法鉱石は「マジカルストーン」と呼称される――。
このマジカルストーンから、不純物を取り除き液体化させたものが「ピュアリキッド」――。
ピュアリキッドを更に精製し、固体化させたものが、大きさ、形が酷似している事から「角砂糖」――シュガーキューブと呼ばれる――。
無論、魔法元老院時代から継承してきた魔法評議院のみが精製方法を「独占」し、監理局、他国の関与は許されない――。
唯一、魔法少女を輩出した国のみが「甘い」角砂糖を味わう――。
最も、その角砂糖はポーターの「内部」に実装され、直接的に味わう事は叶わない――。