「いわゆる伝統芸みたいなものよ――」
ひばりが、助け船を出すと「あっ」と思い出した様にキャサリンは言い始める――。
「それって、ジャパニメーションってやつかい――深夜、眠れない時に何気にテレビを観てたら色々とやってるなぁ――海で水着姿でキャッハウフフみたいな事、どっかのアニメでやってたかも――」
「そうそう、それだよキャシー――」
りおんの瞳が輝く――。
「いやぁでもりおん、ひばりの言う通りもう11月だし、さすがに海はなぁー――」
「ふっふっふっ――甘いなキャシー――あるんだよ日本には奥の手が――」
りおんが人差し指を左右に振り、自慢気に奥の手を披露する――。
「海、水着が駄目なら、温泉回というオプションがあるのだよ――」
「んでも、温泉に行く機会なんてあるのかい――」
「それがあるんだよ――福引きっていうイベントがっ――」
瞳を煌めかせるりおん――。
「なんとか商店街の福引き最終日――思い出した様に福引き券を持っていたひばりが皆を誘って行く訳だよぅ――」
「りおん、少し落ち着いて――」
ひばりが「妄想」を制御しようとするが、りおんは止まらない――。