「うぇーーっ――」
「そうなんだよね、ひばり――もう11月も下旬かぁー――」
りおんの「嘆き」の通り、秋から冬に季節は移り変わろうとしている――。
未だ「普通」の少女のりおんに「吉報」は届かない――。
りおんも最悪の事態は想定はしていた――。
マジカルリンク解除からなし崩し的に、またしても転校、引っ越し――そして、記憶消去によって「魔法少女」の自分自身もなかった事に――。
しかし、りおんはこの1年インターナショナルクラスに今日もあの高層マンションから登校し、ひばりを相手に「妄想」を湧き出す――。
魔法少女になれない事以外は、これまでと変わりない日常――。
りおんの「日常」の為にエレノアがどの程度に評議院と駆け引きし、綱渡り的な交渉を行っていたのかいなかったのか――。
騙し騙され――少女達にはまだ「高度」な処世術――。
「りおん、ひばり、さっきから何を楽しい話をしてんだい――」
「ちょっとテコ入れで水着回の話をね、キャシー――」
「テコ入れぇ――水着回――なんじゃそりゃ――」
大袈裟に両手を広げるキャサリン――。