ざっと眺めても、20名弱――。
髪の、肌の、瞳の色が多様な生徒達――故に人数が少なく、インターナショナルクラスと表される理由なのか――。
「では、りおんさん――挨拶を――」
鏡花に促され、りおんは教卓の前に立つ――。
形容し難い思いを滲ませた瞳達が、りおんを品定めする――。
「わ、わたし――りおんと申します――」
緊張と「圧力」で、声帯が高音域に振れるりおん――。
「あ、あのう――正直突然の事で戸惑い、弱気になってます――」
「でも、決まった事だから――早く皆さんと仲良くなりたいと思ってます――」
「何卒、このりおんをよろしくお願い申しあげたてまつります様、よろしくお願い申し候――」
緊張と圧力の許容範囲が限界点を突破し、りおんの言葉は迷走する――。
『――――』
無音の教室――。
あえてなのか、鏡花も助け船を出さない――。
「あの、えっと――」
ぺしゃんこに圧縮されそうな、りおん――。
何か言わないと――焦る意識、滲み始める汗――。
「りおんさん――」
たまらず、鏡花が気遣う――。