「また話が脱線してしまいました――評議院によるりおんさんに対する処分は以上です――」


「期限は今のところ未定です――最低1ヶ月は続くと思って下さい――評議院から解除通達があれば、私からお伝えします――」


「わかりました――」


「通常なら、ポーターも凍結、評議院預かりになるのですが、その辺は私が上手く言っておきます――」


「大丈夫なんですか――」


「私もその程度の誤魔化す術は心得ています――ですから、心配いりません――私からの話は以上です――」


「お気遣い、ありがとうございます――失礼します――」


りおんは神妙に頭を下げた――。






「魔法少女になった事を後悔していますか――」


りおんが、進路指導室を出ようと引き戸に手をかけた時、エレノアが正す様に言った――。




「後悔はしていません――リンスやエレノア先生から見れば、わたしなんていい加減な魔法少女になるんでしょうね――」


「でも、それがわたしなんです――適当で曖昧で使命感も希薄な魔法少女です――最初の頃は普通が良くて、面倒だなぁって思う事もありましたけど最近は、こんな人生もいいなぁって感じるんです――だから、後悔はありません――」




「後悔なんて、女々しい男がするものですよ――わたし達は起こった事を受け入れ、前へ進む――そうじゃないですかエレノア先生――」


「それがわたし達――少女――」


「それがわたし達――女でしょ――」


少女の「意志」に、エレノアの魂は揺さぶられ、熱を帯びた――。