ぽつん――と「独り」日常の枠外に立つりおん――。
「はぁぁーあっ――」
「柴漬け食べたいっ――」
「りおんさん――入って――」
鏡花が呼ぶ――。
迎える側から急転直下、迎えられる側に――。
早まる鼓動、たぎる血液――より、熱を放つ躰――。
教室内に足を踏み入れるりおん――黒板には既に名前が書かれてあった――。
ざわめく「住人達」――。
「改めて紹介します――りおんさんです――突然の転入で、戸惑ってわからない事ばかりですから、皆さんフォローしてあげて下さいね――」
『はぁーぃ――』
微妙に揃わない、クラスの意思――。
見かねた鏡花が、念を押す――。
「学級委員長のリンスロットさん、頼みますよ――」
「わかりました――」
窓側、最前列の金髪ドリルヘア、リンスロットがりおんを睨み、不満げな感情を声に乗せた――。
清楚な容姿に、「おあつらえ」の髪型と色――普段のりおんなら、瞳が輝き、高揚感で満たされる景色だが、リンスロットの眼圧が「楽園世界」を吹き飛ばす――。
それにしても、生徒が少ない――。