その女性は麗しく、大人の色香で少女達の「幼さ」を「上品」に否定し、教室の薫りを一変させる――。


端整な容姿と躰――。


男が好むであろう、従順な心を垣間見せる蒼い瞳――。


が、男の「欲情」の全てを華麗に往なして、それとは気づかれない巧妙なる唇と、そうであろう声色――。


リンスロットとは「時限」の違う金髪の煌めきが、頭頂部から肩口まで覆い、毛先が妖しく発光する――。




ロナール―クロフォード―エレノア――。


かつて「最強」を欲しいままにしていた、歳の離れたリンスロットの姉である――。


鏡花は何処へ――。


まだ「9月」――鏡花が産休に入るには「早い筈」――。


何者かの良からぬ介入を勘繰る魔法少女達――無論、状況が全くわからないりおんは、この中に含まれない――。




「御姉様――これは一体どういう事なのですか――鏡花はどうしたのですか――」


リンスロットが、クラスの総意を伝える――。


「鏡花さんには早めに産休に入って頂きました――復帰するまで私が皆さんの担任を務める事になりましたロナール―クロフォード―エレノアと申します――よろしくお願いいたします――」