「お前のどうしてもという希望で、オフェリアの帯同は許可したが、あれには制限を施してある――妙な真似はしてくれるなよ――」
「――――」
「ふっ、お前には何かをする度胸も勇気もないが――」
「――――」
「だが、我々評議院の決定事項を遂行した時、お前の汚名は清められ、人間として、女としての尊厳も回復されるだろう――」
「ゆくがいい――そして、成すべき事を成せ――」
女を「見下ろす」威圧的な振る舞いの背中と、圧倒的な評議院の権威を最大限に引き出した男の意思が、空間に漂い、女の鼓膜を「脅す」――。
薄暗く、仄かに湿気を感じ、冷気さえ覚える女にとって「不快」なこの世界――。
男の背中を突き抜け、その先で薪を燃やし、踊る炎を恨めしく瞳に転写し、男達に対する「負」の想い、自身のやるせなさと秘めた決意を凝縮した短い言葉を女は「猥褻」な空間に解き放った――。
「はい――――」
第1部――完