「しかし、此度のダークエネルギー壊滅戦は、見るに耐えない下品なものでしたな――」


別の評議院の男が、女の存在を無視し、発言した――。


「うむ、軍事衛星の件までは大目に見てきたが、そろそろ我々も監理局に対して厳しい態度で臨まねばならない様だ――」


男の威圧する物言いが、絞る様に空間を引き締める――。




「あのう――――」


「まだいたのか――」


場の空気を読めない「未熟」な女を怒鳴り、男は蔑む――。


「はい――その――」


言葉が詰まり、女の躰と心が硬直する――。


「諸君、度重なる彼女の無礼、申し訳ない――どうか不出来な女の稚拙さを、笑ってやってくれたまえ――」


侮辱な表現、嘲笑を女は耐え、聞いた――。


「もう行っていいぞ――いっそ向こうで適当な男でも見繕って、女としての幸せを得るのもいいだろう――まぁ、その時は、お前の子供の代まで遊んで暮らせるカネをくれてやる――それで慎ましく余生を送る事だ――」


「くっ――」


男達に悟られぬ、慎重な「魂」の反抗を灯し、女は意識の世界で心臓を噛む――。


内から湧き出る「殺意」を抑えながら――。