家族や友達と引き裂かれ、日常の風景を上塗りされながらも、国の名誉と自身の責務を果たす為、繊細で未完成な魂に、涙と不満を閉じ込め、彼女達は日本へと赴いた――。


監理局が、ダミー会社を介して一棟買いした高層マンションの上層階6戸を1年生四人一組で5戸使用――。


2年、3年生の二人一組で残りの1戸を振り分け、それぞれに、身の周りの世話をするハウスメイドがつく――。


これに伴い、魔法監理局の本部も、アメリカから日本へ移された――。


一極集中――。


現状の魔法少女の数ならば、ひとつに纏めて管理、運営するのが効率的かつ経済的――。


平和ボケし、かつ治安が良く何かと「融通」利く日本が移設先に選ばれたのは自然な流れに見えるが、そこにも様々な意図が絡む――。


本部移設や魔法少女達の「旅立ち」が素早く行われた要因が、りおん「初陣」のスペースデブリ消去事件であるのは言うまでもない――。


散らばっている「懸念材料」を集め、管理、監視する――大人の周到で猥雑な理屈である――。





問題が「円滑」に解決した議場では、現世界での非難合戦が展開されている――。


ここぞとばかり、気勢を上げ、攻めるロシア、中国――。