これぞ、玉虫色の決着――。
ひばりはお咎めなし――リンスロットとキャサリンには厳重注意――。
そして、りおんには一週間の魔法少女発動停止の処分が監理局から示され、承認される――。
りおんの「初陣」で、やってしまった行いと「記憶消去」の後始末に比べれば、今回の会議など「御茶会」の様なものだ――。
こうして「本題」が解決した後には決まって「表世界」情勢の非難合戦が繰り広げられる――。
鬱憤をぶつける、ロシア、中国――。
受けて立つ、アメリカ、イギリス――。
斜に構えるフランス――。
上手く立ち回る他の国々――。
総論賛成――。
各論反対――。
人類共通の脅威には、概ね一致するも、国益が絡む表世界の案件には「我」を通す――。
これが少女達が大人になり、垣間見る世界の景色――。
この世界では「弱腰外交」などと揶揄される日本の立場は、ひばり、そしてりおんが加わった事で、アメリカと同じく現役魔法少女2名を有する最多国となり、自ずと、格と発言力が上がる――。
たった2名で最多国とは心許ない現状――。