先輩の彼氏が出来た。
あたしより一つ年上の高2の先輩。
高校生になったばかりの頃、バスケ部の先輩を見つけて釘付けになった。
先輩はバスケ部のエースらしくて、彼のバスケットボールを追いかける姿をいつも側で見ていたいと、あたしはすぐにバスケ部のマネージャーになった。
マネージャーになってから、先輩と話すことも多くなり、すぐに仲良くなった。
そして、昨日ーー……
『……俺……結衣(ゆい)ちゃんのこと、好き。……付き合ってくれない?』
部活動が終わった下校途中に、先輩から告白された。
先輩に好意を持っていたあたしはすぐに『はい』と返事をした。
憧れの先輩の彼女。
今日からは先輩の彼女として、彼を見て、彼を感じる。
そんな風に、少しドキドキ、少しウキウキしながら部活動へ向かおうとしていたときーー……
「……ちょっと、来い」
不意に手首を掴まれて、引っ張られる。
.