「それにしても…今回は飛躍的に順位が上がったね?何か、コツでもあるのかい?」


「い、いえ、特に変わったことは…」



まぁ…そりゃね?本人も信じられてない位ですからね!


でも、なんで上がったと聞かれると…言えるはずがない。


自分の気持ちとか、大和と花音のこととか。
真面目に考えれば考える程に頭がこんがらがってきちゃうから…
それを避けるために勉強に逃げてました、なんて。


部外者の会長には余計に話せませんって!



「そうなの?うーん、まぁ立ち話もなんだから生徒会室に行かない?紅茶とかだったら出せるけど」


「あっ…すみません。今日は、これから友達と約束があって…」


「約束が?…そっか。残念だな」



眉を下げる会長の表情は本当に残念そうで…


その原因を作ってしまったのが自分だと思うと…少し心苦しい。
それで私は、申し訳なさからちょっとの間顔を俯かせた。


だから気付かなかったんだ。



会長の手が、私に伸びてきていたなんて…