そう言って生徒会長はにこりと私に笑いかける。
「『あの』藤堂くんを抑えたのはどんな人物なのかと見に来てみれば…こんなに美人な子だったとはね」
「び、美人だなんて!…滅相もないです」
両手を思いっきり左右に振って否定する。
でもそんな私に構うことなく、会長は尚も話を続けた。
「美しくて聡明で…生徒会のメンバーに入ってもらいたい位だ」
『美しい』『聡明』
その言葉に反射的に鳥肌がたつ。
うっ、駄目だ…
この人とは馬が合いそうにない。
周りの女の子はこういう事を言われると嬉しく思うものなのかな?
何にしても、褒められ慣れていない私には効果はゼロみたいだけど。
それに…私には聡明なんて程遠い。
要領も悪いし、勉強は得意じゃない。
それでも精一杯頑張るようにしてる。
努力して努力して…それで保ててる成績。
理由はただ一つ。
お母さんを不安にさせたくないから…
だってそうしないと、向こうで安心して働けないでしょ?
だから…落とす訳にはいかない。